
最近しばしば目にする「さくらんぼ計算」ですが、2号が通ったアメリカのkindergartenでは「Number bonds」と呼ばれてごく当たり前に取り組んでいたものでした。
Numer bonds自体は8=3+5=4+4の様に数を分ける練習のためのもので単純に繰り上がり、繰り下がりのためだけではないのですが、10や20といった10ずつの束を理解させるときにも便利です。
「さくらんぼ計算」は繰り上がりの計算をスムースに理解させるための計算方法の一つなのですが、親御さんが子供の頃に習った記憶もなく、学校でこの計算方法を強制されたりすることもあるケースなど戸惑うこともある様です。
8+7=8+(2+5)=(8+2)+5=10+5=15
8+7=8+(2+5)=(8+2)+5=10+5=15
この様に8とペアで10になる様に7を分けてあげることで繰り上がりとなる10の束を作ります。そして10と5の足し算で15となります。
この練習を繰り返すことで、やがでは8+7=15と頭の中で意識しなくても瞬時に答えが出る様になることを狙ったものです。
逆に引き算も15-7を計算する際に、
(5+10)ー7=5+(10ー7)=5+3=8と10からの引き算を計算することで理解しやすくなるという方法に応用されます。
Make 5, Make 10
ところで「さくらんぼ計算」による繰り上がり、繰り下がりを取り組む前にまずは「Make fives(5)」や「Make tens(10)」を知ってもらう必要があります。
我が家の2号はKindergartenでプリントやらe-learning教材にこの「Make 10」が多く含まれていたのでたくさん練習していました。
1+4=5, 2+3=5, 0+5=5
1+9=10, 2+8=10, 3+7=10, 4+6=10, 5+5=10, 0+10=10
私はこの「Make 10」を使うと計算がラクになるよーという発想は足し算、引き算の両方に応用できるし小さい子には分かりやすいのではないかなと思っています。

手遊び歌:ごまだんご、ごままんじゅう
渡米前に日本の小学校に通った1号ですが、いわゆる「Make 5」,「Make 10」の計算をに相当する手遊び歌を習いました。私も授業参観で初めて拝見してなかなか面白いなあと感じました。
<歌詞> ごまだんご:Make 5
ごまだんご♪ ごまだんご♪ 1と4で ごまだんご♪
ごまだんご♪ ごまだんご♪ 2と3で ごまだんご♪
ごまだんご♪ ごまだんご♪ 3と2で ごまだんご♪
ごまだんご♪ ごまだんご♪ 4と1で ごまだんご♪
ごまだんご♪ ごまだんご♪ 5と0で ごまだんご♪
元気よくリズムに合わせて歌います。振り付けは「ごまだんご ごまだんご」の部分を歌いながらおだんごを丸める仕草をしてその後で、「○と□で」の歌詞のところで右手と左手でそれぞれ加える数字を作ります。「ごまだんご」のところは左手はグー、右手はパー(5)を出します。
最初はゆっくり歌いながらだんだん歌の速さを上げたり下げたり工夫すると子供も楽しくやってくれます。
ごままんじゅう♪ ごままんじゅう♪ 1と9で ごままんじゅう♪
ごままんじゅう♪ ごままんじゅう♪ 2と8で ごままんじゅう♪
ごままんじゅう♪ ごままんじゅう♪ 3と7で ごままんじゅう♪
ごままんじゅう♪ ごままんじゅう♪ 4と6で ごままんじゅう♪
ごままんじゅう♪ ごままんじゅう♪ 5と5で ごままんじゅう♪
やり方は「ごまだんご」とほぼ同じですが、最後の「まんじゅう」のところでは両手をパーにして10を表現します。
終わりに
以前、繰り上がりを含む足し算をパッとできてしまうお子さんにも学校では「さくらんぼ計算」を強制して、場合によっては「さくらんぼ計算」をしないで計算の答えを書いてしまうと減点対象になってしまったことがTwitter上で話題になりました。私自身は正直言うと正しく早く計算が出来れば何でも良い訳で、計算方法まで学校で一律に強制することはあまり意味がないと考えています。しかし数を分解して計算をラクにするアイデア自体はその先で出会うもっと複雑な計算を行う際にも普遍的で知っておいても良いと思います。
99+12=99+(1+11)=(99+1)+11=100+11=111
の様にMake 100をすることは良くやります。
また99の2乗を(100-1)の2乗にして展開を暗算することもいずれ勉強します。話がそれつつありますが、ある程度分かったところでどんどん練習していくのが大切で、そのうちに理解度も自然と深まっていく様に思います。